今回は、Design Cuts海外サイトのライブセッションで公開した、人気デザイナーLisa Glanz(リサ グランツ)氏によるProcreateチュートリアルライブ配信を文字起こししたものです。動画内では、彼女が実際に描きながら説明をしてくれているデモンストレーション形式になっているので、デザイナーの技を盗める貴重なチャンスとなっております!
このProcreateチュートリアルでは、彼女による人気Procreateパックの1つであるAquaReal Watercolour Brushes for Procreateを使用して、デジタル水彩画の描き方をご紹介します。色褪せない人気を誇る水彩表現、意外とうまく使いこなせなかったり、知られざるテクニックがまだまだあるかも?素材デザイナー直々の使い方講座、必見です!
- このチュートリアルで使用の商品 -
こちらの商品は、バンドル『おしゃれに変身!シックな大人デザイン素材集』に収録されています。
AquaReal Watercolour Brushes for Procreateは、デジタルイラストとは信じられないハイクオリティーな体験をお届けします。最高の道具と一緒にテクニックを学びながら、あなたの作品を美術館に並ぶ名画のようなリアルな水彩画に変身させましょう!
よりリアルな水彩表現のコツ
まずはじめに、よりリアルな水彩画に見せるための大事なポイント、それは完成した作品が乾いたように見せることです。
現在たくさんのProcreate水彩ブラシがありますが、水彩=濡れた表現にとらわれ過ぎてこのポイントを抑えていない商品が多々あります。しかし、実際の水彩画は、絵を描き終えると乾き、ウェットなテクスチャーが失われるのが当然です。
つまり、ハードなエッジの少しかすれた不完全な見た目とカラーバリエーションが、よりリアルな仕上がりに欠かせないポイントとなります。ではそれを実際に作品に活かす方法、それはブラシ、本物の水彩画の斑点(ブラシ運びによる絵の具の飛び散り)、絵の具滲みなどをうまく組み合わせて使いこなすことです。
このブラシセットには、すでにカスタマイズされたさまざまな表現を叶えるブラシが揃った水彩ブラシコレクションとなっており、使い方に悩むことなく、リアルな水彩画を描くことができます。
ベースカラーから始めます。そのままお好みの斑点や滲みスタンプブラシを重ねていきます。
クリッピングマスクとブレンドモードを使いこなすことがポイントです。[乗算]に設定し、形状とカラーバリエーションを組み合わせて、納得の表現ができるまで実験していきます。際をはっきりさせていくと、より本物っぽく仕上がっていき、あえての不均一さが乾いた見た目を演出します。
全体的に際を固め、ドライな表現に仕上げると、まさに描きたかったリアルな水彩画に近づきませんか?選抜した色をまとめたカラーパレット内で色を選択し、スプラッター(飛び散り)とシャドウを重ねて、より奥行きを演出していきます。
作品の描き初めは、薄いベースカラーを選びましょう。これは、スタンプブラシを重ねていく毎に、本物の水彩画のように色がどんどん暗くなっていくからです。
したがって、最初は薄い色から始めるのが賢明です。描き方のプロセスも本物の水彩画と同じように、薄い色から深い色に重ねていくことで自然な水彩の仕上がりになっていきます。
思い切って、不均一さや絶妙な色味の違いもどんどん追加してきましょう。あえての不均一さがリアルに見えるポイントです!
遠慮せずにクリエイティブな発想でスタンプブラシを重ねていきます。例えばこのクマの場合、目の周り全体にスタンプブラシを駆使して、大胆に滲みのコントラストを加えていきます。
たくさんのブラシスタンプを重ねて陰影をつけていきましょう。
上記で明るい色から重ねてと言いましたが、反対に暗い色から描いていく方法もあります。例えば、際の暗い色から始めて、ぼかしツールを使用して内側の明るい背景色に馴染ませていきます。スタンプブラシを作品に馴染ませるにももちろん活用できます。これは暗い部分が輪郭をかたどるので、クリッピングマスクを使用する必要はなく、描きたい形のままに使えます。このように、あなたの工夫次第で何通りもの表現方法が可能になり、自分だけの表現をぜひ見つけてください。これが、絵を描く楽しさの醍醐味とも言えるでしょう!
Let’s 水彩!
水彩画の描き方のコツを学んだら、ここからは早速一緒に水彩画を描いていきましょう!
スケッチディテールブラシ(Sketching Detailed Brush)を使用して、蝶を下描きします。もちろん蝶でなくて、お好きな描きたいもので大丈夫です。初めての場合は、なるべくシンプルなものを簡単に描いて、水彩ブラシのタッチでリアルに見せることを意識してみましょう。
まず中心線を引き、あたりをつけ、両側に羽を描いていきます。ここでデザイナー’sポイント!もしフリーハンドで描いた線でうまく描けない場合は、ゆがみツールを使用して線を整えることができます。
繰り返しますが、リアルに見せるためには、完璧である必要はありません。
次に、オールラウンドブラシ(Round Brush – All Rounder)を使用して色を乗せていきます。
Procreateの水彩ブラシを使用する場合は、ペンを持ち上げずに塗っていきましょう。もしペンを画面から一度離して隙間ができてしまったら、ぼかしツールを使って隙間を埋めることができます。ストローク(筆運び)が重ならないように上部の羽を塗りつぶします。
ウェットブレンディングブラシ(Wet Blending Brush)を使用して、重なってしまった部分や残ってしまった余白をブレンドしながら塗りつぶします。
必要に応じてブラシサイズを調整します。色を暗い色調に変更して、ペンを揺らしながら、下部の羽を縁取り、塗りつぶします。
新しいレイヤーを追加し、クリッピングマスクを選択します。
明るい青を選び、滲みなどの適当なスタンプブラシを選びます。ここでは、一押しで蝶を覆うくらいの大きめブラシサイズにします。(お好みで)
一押しスタンプすると、リアル感を増す不均一な色味やテクスチャーが確認できます。
再度新しいクリッピングマスクを追加し、[乗算]に設定します。
別の色を選び、スタンプブラシを反転してみましょう。ぼかしツールで必要に応じて色を馴染ませます。
より暗い色を選び、色んなブレンドモードを試してみてください。そして、作品にコントラストをつけていきましょう。あえて激しいコントラストをつけることも可能なので、好きな場所でどんどん実験してみましょう。
続いて、下部の羽にさらに暗い色を追加し、上部にできた明るい光彩を取り除いていきます。別のクリッピングマスクを作成し、ブルームスタンプブラシ(Bloom Stamp Brush)を選択します。お好みで適当に回転、サイズ変更など実験してみてください。適当なスタンプを押す→仕上がりを確認→調整を繰り返します。
ベースレイヤーに戻り、ぼかしツールで馴染ませていき、リアルに仕上げます。
スプラッターと別のお好みのスタンプを使用して、羽の下部にディテールを加えていきます。どの表現がリアルに見えるか色々試しましょう。
ブラシのサイズを小さくして、中央に抽象的な模様を描きます。これもブレンドして馴染ませます。
次に、青色に設定した滲み(Bloom)ブラシを使っていきます。
ブルームスタンプブラシ(Bloom Stamp Brush)を押していきます。これは、絵の具の色素が鮮やかに乗り、滲んでいく表現になるので、重ねるごとに色も深くなっていきます。まさに本物の水彩画らしい表現の一つです。
より鮮やかな強めの印象にしたい場合は、レイヤーを複製すると、2回効果が追加されることになるので、お好みで試してみてください。他にも、ブルームアクセントブラシ(Bloom Accent Brush)を使用して強めていくことも可能です。
別のクリッピングマスクを作成し、ブルームアクセントブラシ(Bloom Accent Brush)を選択します。
茶色の部分の下に、白い滲みを追加し、色の違いを強調させます。端にスプラッターを使用します。
暗い際を追加するには、[乗算]設定の新しいレイヤーを追加し、暗い色を重ねていきます。ブルームアクセントブラシ(Bloom Accent Brush)で色をにじませ、自然に見えるようにします。
表情をつけるためのバリエーションとして、大きめのブラシサイズで、以前に使用した茶色を選択し、好きなだけ暗くすることも可能です。
色をグレーにすると、鉛筆のように見えます。これらも、リアル見せるために不均一に描いていき、左右非対称になるようにするのがポイントです。
再度[乗算]の新しいレイヤーを追加します。スプラッターブラシ(Random Splatter Brush)を使用して、青味の暗い色を選択、絵の具が飛び散ったような表現を追加します。
タラーン!完成です!
今にも画面から飛び立ちそうな美しくリアルな蝶が描けました!
Lisa GlanzによるこのProcreate水彩キットAquaReal Watercolour Brushes for Procreateは、初心者から上級者まで満足してお使いいただける便利なブラシセットとなっております。
8種類のペイントブラシと、豊富な水彩テクスチャー(滲み、飛び散りetc)ブラシ、カラーパレット、さらには3種類の画用紙キャンバスがセットになったお得な水彩キット、難しい技術や使い方はありません!また、絵の具で汚れる心配もありません!
あなたの創造力で、お好きなように水彩表現をお楽しみいただけます。
Design CutsのYouTubeチャンネルでは、他にもいろんなチュートリアル動画やお得なデザイン情報を配信しているので、こちらも合わせてチェックお願い致します!(動画は全て英語のコンテンツになります。)
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こちらの商品は、バンドル『おしゃれに変身!シックな大人デザイン素材集』に収録されています。