こちらは、Design Cuts海外サイトのライブセッションで公開した、デザイナー兼作家である才能溢れるMolly Suber Thorpe(モリー サバー トープ)氏によるProcreateチュートリアルライブ配信を文字起こししたものです。動画内では、彼女が実践しながら説明するデモンストレーション形式になっているので、デザイナーの技を盗める貴重なチャンスとなっております!

モリーは10年以上に渡り、世界中のブランドや個人向けにオリジナルのレタリングとそれを使用したデザインをしてきました。
Google Arts&CultureやMichael Kors、Fendiなどをクライアントに持ち、The Guardian、The Wall Street Journal、Buzzfeedなどのメディア媒体でも紹介されています。

このセッションでは、クライアント案件を想定したカリグラフィーのロゴデザインを作成していき、商業案件プロジェクトの進め方や、クリエイティブなプロセスを伝授していきます。

また、このProcreateチュートリアルでは、彼女による人気ProcreateカリグラフィーデザインパックであるCalligraphy Composition Maker for ProcreateCalligraphy Nibs Procreate Brush Packを使用して、素敵なカリグラフィーの書き方を練習していきます。日本でも人気ある筆記体を活用したデザイン、本場のカリグラフィーデザイナー直々の使い方講座、必見です!

 

- このチュートリアルで使用の商品 -

【Procreate】カリグラフィーロゴのデザイン方法: Molly Suber ThorpeCalligraphy Composition Maker for Procreate【Procreate】カリグラフィーロゴのデザイン方法: Molly Suber ThorpeCalligraphy Nibs Procreate Brush Pack

 

はじめに

このチュートリアルでは、『Manaki』という架空の会社のロゴデザインというクライアント案件を想定して行っていきます。
有機的で人間味のあるカリグラフィーロゴデザインを作成するためのプロセスをステップバイステップで解説していきます。

クライアントの条件
『Manaki』という会社は、オリーブオイルの製造を専門としており、クライアントの条件は、ロゴにスクリプト体(筆記体)のカリグラフィーを使用すること。
彼らは「Extra virgin olive oil」というキャッチフレーズを謳っており、消費者に彼らのロゴが、現代的で若く、そして高級感のあるイメージとして認識されてほしいと思っている。

課題に取り掛かる前に、はじめにアートとデザインの違いを見てみましょう。
アートとしての作品作りは、自分の探求や欲望を表現し、いわば自分のため、自己満足で作成するものですが、デザインとは、問題の解決策であり、クライアントやデザインを使用する人を主体として制作するものになります。

では再度、この課題の目的を整理しましょう。私たちがデザインしていくクライアント『Manaki』のロゴは、

  • 彼らのブランドを反映するものである。
  • 彼らの製品の価値を予測し、陳列棚から目立つデザイン。
  • 現在および将来のすべてのロゴを使用するシーンに適用可能である。
  • 読みやすくする。- カリグラフィーの多くは、手書きであるため、筆記のバランス加減でデザイン(ロゴの形)が決まります。
  • 重なり合うストローク(筆運び)や複数の色の使用は避ける。- これは読みにくさを助長するためです。あなたがクライアントのロゴデザインをコントロールできるのは、クライアントにデザインを提出するまでであり、クライアントに引き渡した後でロゴをどのように使用するかはあなたの管轄外になります。そのため、彼らのために汎用性の高いロゴを作る必要があります。
  • 十分な文字の間隔を設ける。- 文字とストロークに十分なスペースがあることを確認しましょう。ロゴの下に企業のキャッチフレーズを付け加える場合は、ロゴの下のスペースにうまく収まる必要があります。

(良いロゴの制作方法についてもっと学ぶ→良いロゴを構成する4つのポイント)

Let’s Get Started!

Procreateの無地のファイルから始めます。
Calligraphy Composition Makerの「Pattern Brush: 65°傾斜」Procreateブラシを使用します。画面にペンシルをなぞり、無地のキャンバスを65°傾斜のグリッドで埋めていきます。

実際に文字をデザインしていくインクや下書きの色と差別するために、ここではグリッドの色を紫に設定します。選択ツールをタップして、Molly Suber Thorpeのロゴの下に少しドラッグします。下書きの邪魔にならないように、グリッドの不透明度を少し下げます。
【Procreate】カリグラフィーロゴのデザイン方法: Molly Suber Thorpe

色を黒に変え、鉛筆を使って下書きしていきます。モダンで今時なデザインを表現していくことを忘れずに。
まず、「manaki」を小文字で書くことから始めてみましょう。
【Procreate】カリグラフィーロゴのデザイン方法: Molly Suber Thorpe

より高級感を出すために、デザインに少しフローリッシュ(カリグラフィーの装飾)を加えてみましょう。
【Procreate】カリグラフィーロゴのデザイン方法: Molly Suber Thorpe

ただし、ボトルキャップにこのロゴを使用する必要があることを忘れないでください。ボトルキャップのサイズは、約1インチ(約2.5センチ)です。
したがって、小さい場所に印刷されていても可読性がある必要があります。文字の間隔を空けながら、大文字、小文字、フローリッシュとデザインを調節していきます。

クライアントの条件を満たすデザインにするまで、この工程を数回試す必要があるかもしれません。
「Mにフローリッシュをつけるか、それともK、そしてIか?」のように、自問自答しながら、時には近くの誰かにフィードバックを求めるなどの試行錯誤して制作していきます。
制作している本人にとってはもちろん明白なことも、他人には違って見える可能性が高いです。
特に、ブランドのためにデザインする際は、デザインにさまざまな視点を導入して、どのような印象があるか多くの人の意見を聞いてみることが大切です。
【Procreate】カリグラフィーロゴのデザイン方法: Molly Suber Thorpe

下書きの不透明度を下げます。
Calligraphy Nibs Procreate Brush Packの「Fine Calligraphy Pen」を選択して、太いストロークと細いストロークと強弱を付けていきます。
【Procreate】カリグラフィーロゴのデザイン方法: Molly Suber Thorpe

鉛筆の下書きレイヤーを非表示にし、いくつかのデザインした文字を整列させていきます。
【Procreate】カリグラフィーロゴのデザイン方法: Molly Suber Thorpe

今回は4種類のデザインを考案したので、すべてのデザインに番号をふっていきます。
選択ツールに切り替え、クライアントが選択したデザインを選択します。仮にNo.3としましょう。
3本の指で下にスワイプし、カット・コピー・ペースト画面を表示させ、カット&ペーストを選択。これにより、No.3のデザインは別の独立したレイヤーに単独でペーストされ、他デザインが存在する元のレイヤーを非表示にすることができます。
【Procreate】カリグラフィーロゴのデザイン方法: Molly Suber Thorpe

オリジナルのNo.3デザインのレイヤーはいくつかコピーしてキープする用と、変更を加えながらいろんなバリエーションを作っていく用を用意します。オリジナルのキープする用は、比較するために必要になります。クライアントの要望に合わせて編集を重ねていくと、オリジナルのデザインを忘れてしまうことがよくあります。
そのため、どの過程でいくつの変更が加えられたのかを把握し、記録を残していく必要があります。

オリジナルのキープする用レイヤーの不透明度を下げてコピーします。これは、今後のプロセスで変更を加えていくにあたってテンプレートとして使用します。このコピーして作成したテンプレートレイヤーは書き込まず、そのままキープします。
変更を加える用のレイヤーをテンプレートレイヤーの上に重ねます。消しゴムツールを使用して「A」のトップを短くすると、シャープな印象に仕上げることができます。
【Procreate】カリグラフィーロゴのデザイン方法: Molly Suber Thorpe

次に、この「M」の書き始めのカーブしたストロークを、書き終わりの「I」のストロークにも小さめのサイズで反映させてみましょう。(するっと流れるようなストロークから、くるっと上に上昇するようなストロークになります。)
小文字の高さのラインが完全に揃っていることを確認してください。ベースラインをわずかに越してみましょう。消しゴムツールを小さいサイズに設定し、「A」のトップを削ったように、他のアルファベットの細部も削っていき、全体的に一貫した線にアップデートし、シャープで洗練された印象のデザインに仕上げていきます。
【Procreate】カリグラフィーロゴのデザイン方法: Molly Suber Thorpe

有機的で人間味のあるタッチを表現する場合は、手書きのフリーハンドで書かれた雰囲気を参考にしてみてください。

サブラインに配置するキャッチフレーズのための十分なスペースがあることを確認しましょう。Sedonaフォントを使用してキャッチフレーズをタイプします。読みやすさを念頭に、ベースラインより下に配置します。必要に応じてコントラストと比率を追加します。
【Procreate】カリグラフィーロゴのデザイン方法: Molly Suber Thorpe【Procreate】カリグラフィーロゴのデザイン方法: Molly Suber Thorpe

グリッドを非表示にします。
オリジナルと別バージョンの両方のデザインが完成しました。

微調整や変更の必要がないか、繰り返し確認することを忘れないでください。シャープさを追加したい時は、消しゴムを使用して既存の線のキワを削る方法をオススメします。
【Procreate】カリグラフィーロゴのデザイン方法: Molly Suber Thorpe

ロゴのデザインが完成したので、この後はベクトル化、そしてカラーパレットとモックアップを使用して、クライアントへのプレゼンテーションの準備を整えましょう!
リアルな手書きストロークの美しさが魅力のカリグラフィーロゴを、皆様も楽しんでいただければ幸いです。

Design CutsのYouTubeチャンネルでは、他にもいろんなチュートリアル動画やお得なデザイン情報を配信しているので、こちらも合わせてチェックお願い致します!(動画は全て英語のコンテンツになります。)

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