80年代に流行したSFのジャンルの一つであるサイバーパンク。
過去の人が考える近未来都市というのもあり、未来を描きつつも、現代人である私たちにはどこかノスタルジックな気分にさせてくれるロマン溢れる世界観が魅力ですよね!
映画や日本のアニメ・漫画でも人気のテーマであり、世界中の人を今でも魅了しています。

そんなレトロフューチャーな世界観のサイバーパンクの特徴と言えば、煌々と光るネオンサインや広告、それらに照らされたひしめく高層ビル群の未来的な都市イメージを思い浮かぶ人も多いはず。

そこで、このPhotoshopチュートリアルでは、夜の繁華街の写真を題材に、パッと目を引くサイバーパンク風の写真加工の方法をご紹介します。
冴えるようなブルーとホットピンクをメインに、きつめのカラーグレーディングを施すことで、ネオン効果を強くし、通常のストリート写真を雰囲気たっぷりのネオンノワールなシーンに変換させます。

明暗別色補正(スプリットトーニング)で色を操作する前に、よりリアルな見た目を叶えるためのいくつかの画像調整から始めます。
強調されたネオンサインと絶妙なミスト効果によって、フューチャリスティックでミステリアス、ネオンノワールな映画のワンシーンのような画像を完成させましょう!

【フォトショ】サイバーパンク風加工のやり方

サイバーパンクの世界観に欠かせないネオン街は、東京やソウル、香港など、アジアの繁華街の風景がぴったりです。フリー画像サイトより、EthanBrooke氏によるこの無料画像を使用します。

【フォトショ】サイバーパンク風加工のやり方

Adobe Photoshopで画像を開きます。元の画像を保持するために、背景レイヤーを複製します(ショートカットCMD + J)。複製された新しいレイヤーをスマートオブジェクトに変換して、フィルターと効果が適用されるようにします。

【フォトショ】サイバーパンク風加工のやり方

[フィルター]>[Camera Rawフィルター]より、[基本補正]パネル上で一連の調整を施して画像をはっきり強調させていきます。[色温度]と[色かぶり補正]の値を、ピンクとブルーに寄せることがサイバーパンクスタイルのポイントです!

【フォトショ】サイバーパンク風加工のやり方

[ハイライト]の値を減らし、[シャドウ]の値を増やして、画像の全体的な明るさとコントラストをコントロールしていきます。HDRスタイルのような見た目は、細部を鮮やかに際立たせます。

【フォトショ】サイバーパンク風加工のやり方

[明瞭度]の値を少し下げて光の輝きを和らげ、次に[かすみの除去]の値を増やして画像のコントラストを調整します。

【フォトショ】サイバーパンク風加工のやり方

[Camera Rawフィルター]の[明暗別色補正(スプリットトーニング)]パネルに切り替えます。 [彩度]の値を一度最大にして、ちょうどいい[色相]の値を決めます。ポイントは、ハイライトが明るいピンク、暗い部分が濃いリッチブルーになる場所を見つけましょう!色相が定まったら、[彩度]の値を下げて画像の鮮やかさを調整します。

【フォトショ】サイバーパンク風加工のやり方

[Fx(効果)]パネル内の、周辺光量補正を追加して画像の四隅を暗くします。[ぼかし]の値を少し上げて、周辺光量補正による暗みがなめらかにフェードアウトするようにします。

【フォトショ】サイバーパンク風加工のやり方

ここまでのCamera Raw補正だけで、元の写真とは雰囲気がだいぶ変わり、サイバーパンク味がかなり追加されました!
しかし、ここからは、ネオンライトの強調とミステリアスなミスト効果を加えて、さらなるサイバーパンク度を高めていきます。

【フォトショ】サイバーパンク風加工のやり方

レベル補正の調整レイヤーを追加してから、[属性]パネル内の[出力レベル]スライダーを呼び込みます。これにより、画像の最も暗い部分をなくすためのブラックポイントの変更の調整が可能になります。シャドウレベルスライダーより、これらの部分をわずかに暗くします。

【フォトショ】サイバーパンク風加工のやり方

次に、[選択範囲]>[色域指定]より、画像の最も明るい部分のコピーを作成します。 色域指定パネル内の[ハイライト]を選択し、[範囲]の値を約200に調整します。コピペで、ハイライトのコピーを新しいレイヤーに配置します。

【フォトショ】サイバーパンク風加工のやり方

新しいハイライトレイヤーをダブルクリックして、レイヤースタイルパネルの[光彩(外側)]スタイルを追加します。[描画モード]を[覆い焼き(リニア)-加算]で色を白に設定します。[テクニック]は[さらにソフトに]を選択し、[スプレッド]値はほのかな輝きが出る最小値を見極めましょう。最後に[不透明度]を下げて、効果が目立ちすぎているところを調整します。

【フォトショ】サイバーパンク風加工のやり方

新しいレイヤーを追加し、ブラシツールの[硬さ]をゼロに設定します。ツールバーの[流量]の値を減らし、Altキーを押しながらスポイトツールへ切り替えて、写真から色を抽出します。 写真の色相に合う色の塗りを画像の周りに乗せていきます。

【フォトショ】サイバーパンク風加工のやり方

このレイヤーの[描画モード]を[スクリーン]に変更し、不透明度を約40%に下げて、わずかな色味を残します。

【フォトショ】サイバーパンク風加工のやり方

続いては、ネオンライトの効果を強めていきます。写真内の標識や広告をネオンライト風に変換することで、サイバーパンクな雰囲気をさらに盛り上げることができます。
新しいレイヤーを追加し、ブラシサイズが小さく、硬度が100%のブラシツールを設定します。ブラシ設定で[滑らかさ]を有効にし、上部のツールバーで[滑らかさ]の値を約50%に設定し、画像内の文字を簡単にトレースできるようにします。[流量]の値を100%に戻すことを忘れずに!

【フォトショ】サイバーパンク風加工のやり方

このレイヤーをダブルクリックしてレイヤースタイルを追加し、普通のブラシの線をネオン管風に変身させます。[カラーオーバーレイ]から始めていきましょう。ネオンライトのベースカラーとして青系の色味を使用します。

【フォトショ】サイバーパンク風加工のやり方

次に、レイヤースタイルの[光彩(内側)]を追加、[描画モード]を[覆い焼き(リニア)-加算]、色は[白]、[ソース]を[中央]に設定します。 [チョーク]と[サイズ]の値を調整して、チューブの端に向かって青い輪郭にフェードアウトしていく白い光を中心に作っていきます。

【フォトショ】サイバーパンク風加工のやり方

その後、レイヤースタイルの[光彩(外側)]を追加、煌々と光るネオンライトに仕上げていきます。ネオンライトのオリジナルの線と同じ青系の色味で、[描画モード]を[覆い焼き(リニア)-加算]に設定します。[テクニック]は[さらにソフトに]、[スプレッド]で滑らかな輝きが出るちょうど良い値を決めてから、[サイズ]の値を調整しましょう。

【フォトショ】サイバーパンク風加工のやり方

[光彩(外側)]を複製することはできないので、[ドロップシャドウ]で同じような効果を追加します。
上記と同じ手順で、[描画モード]を[覆い焼き(リニア)-加算]、同じ青い色味に設定し、[距離]と[スプレッド]をゼロに減らします。その代わり[サイズ]を大きくすることで、ネオンライトの周囲の輝きを増幅させます。

【フォトショ】サイバーパンク風加工のやり方

新しいレイヤーで他の色のネオンライトをトレースします。青系のネオンライトのレイヤースタイルを右クリック、コピーし、新しいレイヤーに光彩効果を貼り付け複製します。
色相設定を編集して、他のネオンカラーも作っていきます。

【フォトショ】サイバーパンク風加工のやり方

ネオンサインの一部が、電線やその他の障害物の上にトレースされている場合は、対象のレイヤーをグループ化してから、レイヤーマスクを追加します。消したい部分を黒に設定したブラシでなぞると、上に重なっている不自然なネオンラインをマスクすることができます。

【フォトショ】サイバーパンク風加工のやり方

最後の仕上げとして、新しいレイヤーを追加し、この無料のスモークブラシのセットを使用してミスト効果を適用します。

【フォトショ】サイバーパンク風加工のやり方

スモークブラシレイヤーの描画モードを[覆い焼きカラー]に設定、[塗り]の値を減らして色が際立つようにし、鮮やかなミスト効果を生み出します。

【フォトショ】サイバーパンク風加工のやり方

お疲れ様です、完成です!最終的には、際立つ青とピンクの色味、そして輝くネオンサインが印象的なかっこいいサイバーパンク加工に仕上がりました。
前半のCamera Raw補正は、HDRスタイルの鮮やかなコントラストの追加と、明暗別色補正で全体の写真の雰囲気を変更することができました。
後半は、ネオンライトとミスト効果を追加することで、画面に未来的でミステリアスなムードを高めることができました。
ぜひあなたのデザインプロジェクトや作品に活かしてみてくださいね!

【フォトショ】サイバーパンク風加工のやり方

こちらの記事は、『How to Apply Cyberpunk Style Color Grading & Neon Effects to Your Photos』を翻訳したものになります。
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