私たちの関心を引くために競い合う企業で溢れかえる現代社会では、ロゴを見ない日はありません。
ロゴはパソコンから、Tシャツ、家具、シャンプーまで身の回りのものほとんどに存在しています。
もはやロゴに囲まれた生活が普通となっているこの世界では、私たちの生活がどれだけブランド化されているか気付くことさえありません。
ロゴがそれほどまでに浸透しているこの世界、それではロゴとは具体的に何でしょうか?
ロゴとは、「ビジネスを表現するテキストと画像で構成されるシンボル」と定義づけられます。そして、良いロゴは、会社が何をし、ブランドが何を大切にしているのかを明確に示しています。
本質的には、ロゴはあなたが誰から購入しているのかを知らせてくれます。競争率が高い場合、ロゴの主な機能はブランドを他社と差別化することです。
マクドナルドとバーガーキングを例に考えてみてください。ブランディングがなければ、2つの違いを本当に見分けることができるのでしょうか?
基本の原理
ブランドを認識するメインの要素であるロゴ、それを作成するために時間とお金を投資することは必要不可欠であり、そうして作成されたロゴはさらなるビジネスを生み出します。
まずは、ロゴの「基本の原理」を心得ましょう。もちろんこれは、全ての良いとされるロゴに適用されるわけではありませんが、ぜひ覚えておきたいポイントになります。
ロゴとは、
- シンプルなデザインであるべき。– わかりやすくはっきりと認識でき、複製可能であること。(例えばナイキのスウッシュロゴ)複数の要素を盛り込みすぎて、ゴチャゴチャしないようにしましょう。
- オリジナルのデザインであるべき。– ブランドの適切な雰囲気を伝えながら、周りから目立つような目新しいデザインである必要があります。
- 汎用的なデザインであるべき。– ロゴはウェブサイト、アパレル、ステッカー、ソーシャルメディアのようなあらゆる場所であらゆる形体で使われるので、それは多方面的に機能する必要があります。これは、サイズやカラーに関わらず、はっきりと認識しやすくなければならないことを意味します。
- タイムレスなデザインであるべき。– 成功するロゴは、流行に流されない、いつの世にも適応する美しさを兼ね備えています。
- シンクロするデザインであるべき。– ブランドの顔とも言えるロゴは、ブランドの特徴を体現し、メッセージを的確に伝える必要があります。色を使用する場合は、その色がブランドに合っているか確認してください。例えば、赤は興奮と情熱、黄色は遊び心と親しみやすさ、青は信頼性と自信などを伝えます。現に、従来のテクノロジー企業では、明るい黄色で抽象的なロゴは使用しない傾向にあります。
では、基本がわかったところで、優れたロゴの作成においてさらに重要なポイントを、ここからもう少し深く掘り下げていきましょう。
ポイント①: 記憶再現テスト
まず始めに想像してみてください。あなたは今、ペンと紙だけで無人島に遭難しています。そして、助かる唯一のチャンスは、世の中にある全てのロゴの一つを90%以上の精度で正しく描くこと…
こんなことが起こる可能性はほとんどありませんが、少し一緒に遊んでみましょう。
90%以上の精度で正しく描かなければいけないとしたら、Mozilla FirefoxのグローブロゴとNikeのスウッシュロゴ、あなたならどちらを試しますか?おそらくナイキのスウッシュを選ぶ人が多いでしょう。
なぜか?それは、Mozilla Firefoxのグローブ上にいる動物が火の弧でもフェニックスでも、さらにはキツネでもなくレッサーパンダであることを知っている人はほとんどいないからです。Mozilla Firefoxのロゴを選んだ場合、無人島からの脱出の見込みは遠ざかるばかりです。
ここで重要なのは、記憶からロゴを作成できない場合、それはおそらくシンプルでないか、十分に記憶に残るものではないということです。両者の間には絶妙なバランスがあり、良いロゴというのはその空間にピタリとはまるように生息しています。
ポイント②: ロゴを建造物として考える
ロゴデザインは多くの点で建築と似ています。ロゴデザイナーとして、自分自身に問いかけてみましょう。
それは対称的でバランスが取れていますか?その要素は一緒にうまく機能しますか?そしてそれらは意図的にデザインされたように見えますか?
答えがはっきりとした「Yes」でない場合、構造全体が崩壊する恐れがあります。なぜなら、私たち人間はイノベーションの芸術を高く評価していますが、私たちの目は、なじみのあるもの、意図的に見えるものにも惹かれているからです。
ここでまた、バランスの問題に再び直面します。ロゴの構造がきっちりしすぎていると平凡で、かといって奇抜さを加えすぎるとプロフェッショナルさに欠ける可能性があります。
これらの解決方法は何でしょうか?それは、リサーチ、計画、設計、そしてそれを納得するまで繰り返しやり直すことです。
ポイント③: クライアントに耳を傾ける
あなたがデザイナーであるならば、あなたはあなた自身のためではなくクライアントのためにデザインしていることをすでに心得ているでしょう。
あなたが焦点を当てるべきなのは、彼らのビジョンに応えることです。なぜなら、彼らが最終決定権を持っているからです。(たとえあなたがベストな方法を知っていたとしても…)
もちろん、これは、ブランドに強い愛着を持っているクライアントに対応する時により複雑になります。もし、会社のファウンダーと一緒に仕事をする場合、最初のプロセスの大部分を、ブランド・好みのリサーチ、そして自信を持って彼らに打ち出すことができる確かなコンセプトの作成に費やしたいと思うでしょう。
例に、Ian Pagetは、「ビジネス、競合他社の顧客層に関する質問」のアンケートを送信することから始め、すべての情報をまとめてチェックリストを作成し、クライアントに書面で承認してもらう手順を踏んでいます。
これは、クライアントの好み/意見を尊重していることを示し、両者が何を期待すべきかを互いに理解することで、協力関係を固めます。
ゴールは、明確に定義されたプロセスを持つこと、そしてそれは、行ったり来たりの情報の往来を最小限に抑え、自分が最も得意とすること、つまり多くの時間をデザインに割けるようにしてくれます。
ポイント④: 興味をそそる
これはその意味の通り、あなたが成功するロゴを作りたいならば、忘れられないような印象深いデザインである必要があります。
ロゴは感情や思い出を呼び起こすことができ、すなわちそれは、たとえ何キロも離れていても、違う国にいても、ロゴによって同じ屋根の下にいるという気持ちにさせてくれます。
しかし、その点に到達するには、目を引く、そして芸術作品のようなロゴをデザインする必要があります。
優れたロゴは多義的に捉えることができ、さらに興味をそそるものであり、しっかりと記憶に刻印され末長く頭の中に残ります。あなたが広めなくとも、あなたのデザインが人々の話題になることができれば、あなたのデザインは成功したと言えるでしょう。
ツール・ド・フランスのロゴをご覧ください。有名な競輪レースで知られていますが、ロゴがどのくらいユニークであるかがわかりますか?(ヒント: TOURの「OUR」は競輪選手のように見え、黄色は勝者に授与された黄色のジャージを表しています。)
このロゴは人々に、観察する時間を与え、「なるほど…巧妙なデザイン!」という発見までの一連の経験を与えることで、見た人の記憶に残る可能性を高めています。それによって、ツール・ド・フランスを見たり、調べたりする機会を生み出しています。
大事なポイントは、このロゴが大胆で面白いデザインであるから世界中の何百万もの人々に認識されているということ。これはまさに、あなたがあなたのロゴに期待するべきことと言えるでしょう。
最後に
この記事が、ぜひあなた自身またはクライアントのロゴデザイン(もしくは改善)に役立ちますように!
これらのポイントはあくまで出発点ですが、あなたはロゴデザイナーとして、どこに向かうべきかを知っているはずです。
結局のところ、各ブランドはユニークであり、あなたの仕事はそのユニークさをできる限り捉えて、最大限に表現することです。
他にも、ロゴの作成やインスピレーションに役立つ、Design Cutsのロゴセクションもチェックしてみてはいかがでしょう!モックアップ、ロゴテンプレート、ブランディングセットが豊富に揃っています。
こちらの記事は、『4 Elements That Make a Great Logo』を翻訳したものになります。
→オリジナルの記事を見る